ダンボール工作にもジェネレーションギャップ [ダンボール]
ダンボール工作は、
世代を問わずに取り組むことができる分野ですが、
「何を作るか」には差が出るようです。
料理雑誌レタスクラブWEB版の
一コンテンツである読みものには、
育児・子育て、趣味、料理をテーマに
漫画や写真付きのレシピ情報が掲載されています。
そのコーナーでも人気のあるコミックエッセイ
「実録 保育士でこ先生」に、
ダンボール工作に関する小話が掲載されました。
タイトルは「携帯電話?」です。
ある日、何をして遊ぼうかと悩んでいる園児を見つけ、
でこ先生は、ダンボールの切れ端を使った工作を提案します。
お手本とばかりに、長方形のダンボールにアンテナをつけ、
液晶画面を書き、ボタン式ダイヤルを書いて……
そう、でこ先生が作ったのは、ガラケー!!
ボタンを押して電話をかけるジェスチャーをして、
ダンボールのガラケーを園児に渡します。
すると……
「何これ?」
と、ショッキングな一言。
スマホ一択世代には、ガラケーの小さい液晶や、
ボタン式ダイヤルなど見たこともない機械でしかないのでした。
とはいえ、最近では「ガラホ」という機種も注目を集めつつあるので、
ガラケーとはいわなくても、
懐かしい形を知っているという若い世代は増えていくかもしれません。
小学生でも作れるダンボールロボット [ダンボール]
ドコモの関連会社が開発したembot(エムボット)は、
ダンボールで組み立てて、プログラミングで動かすロボットです。
ダンボールを使い、切り取る、折る、差し込むといった
簡単な行程でロボットの本体を組み立てます。
作り上げたロボットは、アプリを使ったプログラミングで
動かすことができます。
スターターキットには、本体用ダンボール3枚のほか、
動力となるembotコアが1個、サーボモーター2個、
ブザー1個、LEDライト2個、モーター用パーツが1式揃っている。
例えば、クマの形のダンボール製ロボット。
サーボモーターで手を動かしたり、胸のLEDが光り、
ブザーで音を鳴らすことができる。
作り方は、ダンボールを印に沿ってくり抜き、
折って差し込むだけ。
顔、胴体の順に組み立てたら、embotコアを入れ、
モーターをつないでいく。
プログラミングは5段階に設定されていて、
テキストに従って入力する。
簡単なものでは、
クマの手の動きを、左右と前後の2パターンに設定できます。
レベルは自由に選べるようになっているので、
プログラミングはある程度経験があるこども、
本格的なプログラミングに挑戦することができます
ダンボール工作とプログラミングの初歩が学べる
embotは、タカラトミーで6,600円(税込)から
購入できます。
直木賞作家とダンボール [ダンボール]
今年デビュー20周年を迎える小説家西加奈子さん。
2004年小説『あおい』でデビューし、
13年に『ふくわらい』は河合隼雄賞、
15年には『サラバ!』で直木賞を受賞しています。
『きいろいゾウ』の映画化や、
17年に発売された『i(アイ)』が10万部以上を
売り上げるベストセラー作家です。
彼女が文学と同じく情熱を傾けているのが絵画です。
常に小説のテーマを絵画にして表現してきた西さんは、
幼少時から絵画を手がけ、
ダンボールにクレヨンで描くという
独特の方法を確立しました。
生活の中にあふれるダンボールという素朴な素材に、
クレヨンで大胆に描いていきます。
その作品は、小説の表紙絵や挿絵として使われています。
それらの作品たちは、ストーリーを理解する
鍵となる存在となっています。
クレヨンが厚く塗り重ねられたダンボールには、
作家のエネルギーが溢れています。
小説にちなんで、個展「i(アイ)」も開催されました。
そこでは、ギャラリー空間全体を使った
インスタレーションアートを発表しています。
アメリカ人と日本人の夫婦に引き取られた
主人公「アイ」がアイデンティティを
獲得していく物語『i(アイ)』の登場人物の
心の機微をとらえた抽象絵画13点を展示されました。
作品群を前に西さんは、
「小説では得られない快感を絵では得られるし、
絵では得られない快感を小説から得ることもできる。
どっちも私には大切だし必要なもの」
と語っています。
ハサミとボンドを操る「ダンボール女子」 [ダンボール]
戦車やスニーカー、楽器など様々な作品をダンボールでつくり上げ、
その緻密かつ繊細な完成度の高さから
「ダンボール女子」として注目を集める大野萌菜美さん。
昨年10月に初めての個展を開催しました。
アニメーションを学んでいる時に
ペーパーアニメの作品をつくりたいと思ったが、
ひとつひとつの絵を描いて色を塗るという膨大な作業を
一人で進めることが難しかった。
そこで立体をつくって、それを少しずつ動かして
撮影するという手法に切り替えたことがきっかけとなりました。
大学生の時は、モノづくりの現場に関わってみたいと思い、
フィギュアの造形・企画制作会社や
立体看板などを制作する造形屋さんなどで経験を積みます。
スニーカーなど他の作品をつくったところ、
指導してくれる方から、SNSで写真をアップしてみたら
というアドバイスがあり、
Facebookなどで作品写真をあげてみました。
最初に作った戦車が話題となり、
戦車をたくさんつくって個展を開く機会に繋がりました。
人気のジブリ作品など、
ダンボールに生命を吹き込むように作り上げられた作品たちは、
ダンボールアートの魅力を、最大限に引き出してくれています。
展覧会をきっかけに台湾からの
仕事の依頼もあったとか。
今年はさらなる飛躍が期待されています。
魅惑のダンボールアーティスト [ダンボール]
日本よりもヨーロッパで人気や評価の高い
海外で活動するダンボールアーティストの紹介です。
1982年生まれのロッカクアヤコさん。
絵筆を使わず手に直接絵の具をつけて、
ダンボールやキャンバスに描く独特のスタイルを確立しました。
目的のない散歩のように製作に着手し、
前もって計画を練ることなしに感情に任せ、
なんらかの構図が生まれるまで描きていきます。
独特のスタイルで行われるライブペインティングや
色彩豊かな作品で知られています。
瞳の大きな少女のモチーフとカラフルな色彩の作風が
国内外で人気を誇っています。
2011年、東日本大震災が発生した際は日本に帰国して、
東北地方の子供達に描かせた絵を用いての創作を行いました。
使用する素材にダンボールを選んだ理由は、
当初ゴミの集積所ですぐ手に入り、しかも軽いという理由からでした。
ダンボールに絵具、素手で描くという独自の技法は筆で描くよりも早く、
直接触れているため原始的になる感じが気持ちよく、
どんどんエネルギーが湧いてくるのだそうです。
ダンボールのでこぼこした表面が温かみを感じ、
好んで使用しています。
代表的なモチーフは瞳のおおきな女の子で、
どの作品も明るくハッピーな色遣いなのに、
かわいいだけじゃない少しアンニュイな雰囲気が
人を惹き付ける要素になっています。
ヨーロッパの美術批評家はロッカクアヤコを
現在最も将来性のある若い芸術家の1人として高く評価しています。
今後も益々、幅広いアートスタイルにチャレンジし、
私たちを驚かせてくれる事でしょう。